「しつけ」と「学問のすゝめ」

夏休み
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法務通信―新時代― Vol.8

さあ、夏休みが始まりました。うれしいと思う人、学校へ行ってくれた方がよいと思う人、さまざまだと思います。学校は先生がいますが、家庭にいるのはお父さん、お母さんなどですね。子どもは親を先生として、生きていく上での大切なことを学びます。夏休みは、それらが大きな影響を与える期間です。そこで、今回はちょっと教育的な話です。

まずは躾

「身を美しくする」・・ということが躾ですが、着物など衣服をきちっとまとめて、美しく見せるための「躾糸」というものがあります。これがないとダラーンとしてうまく仕立てられなくなるわけです。躾をするということは、衣服の外見を整えるために行う一定の行為ですが、その行為が「心の躾」に向かう時、その人の行動や仕草の中に垣間見える本質、つまりは、躾がその人の「習性」となり、やがて、その人に固有の「本性」のようなものに特有化すると考えられます。そのことが社会人としての将来の生き方に大きな影響を与えることになります。

 人間の場合、動物のように生まれてからすぐに歩けるようにはならないし、社会人として自立できるまでそれなりの長い期間を必要とします。したがって、子ども時代は、基本的な生活習慣を養うため、ほめたり罰を与えたりしますが、近年ではその罰の中に体罰・虐待と見分けがつかないものもあり社会問題化していますね。また、口頭で叱るという行為もしつけには含まれますが、子どもにとっては、恐いとか苦痛であるなど、ネガティブな感情しか生まれず、思考力は低下するといわれています。まずは、褒めてください。

 さて、楽しい夏休みどう過ごすか、学校の先生がいないわけですから、計画的な時間割に沿った生活を送れませんね。そこで、家庭の躾糸でよく学びよく遊べの時間割を作って、「良き習慣」を繰り返していると一生の幸福に結びつくでしょう。

子供を褒める

そして学問のすゝめ

 明治の初め福沢諭吉が書いた「学問のすゝめ」の啓蒙書は、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言へり」で始まり、全体を通して学問の有無が人生において大きな影響を与えることを説いています。ただし、当時は明治維新直後で今のような教育制度が確立していなかった時代でした。したがって、国民である大多数の大人に対して学問のすゝめを説いたのでしょう。

 なぜ、学問が大切かを呼びかけたのは、福沢諭吉が幕府の使節団員として欧米の進んだ産業や科学技術・教育などを見て、欧米では当たり前のことが日本では信じられないことばかりに衝撃を受けた。このままでは日本は立ち後れ、欧米列強の植民地になりかねないと「勉強すること」の大切さを説いたのです。

 さて、学校の先生がいない家庭で子どもに勉強させようとする場合、何より大切なことは、言われてからする子どもではなく、「自ら進んで」勉強する子どもに「習慣づける」ことです。そのポイントは、食べ物と同じ「好きな科目」から始めることですよ。

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