なぜ知れば地獄・知らぬは天国か

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法務通信―新時代― Vol.17

なぜ知れば地獄・知らぬは天国か

 4月に入り、どうも地震とか真夏日というニュースが気になります。穏やかでゆったりした春はもう来ないでしょうか。でも、天気どころではないと人は仕事のため職場に急ぎますね。

 さて、その職場にせっかく就職したのに自分のスキルや興味に合ったものがないと思い会社を辞めてしまう若い人が増えています。入社前の資料はよいことばかり書いてありますが、実際に仕事を始めてみたらどうも合わない、期待と現実のギャップに嫌気がさし職場を去ることがあります。これは、事前にその会社がどんな会社か、自分のキャリアや興味に合わない仕事内容か、長時間労働を強いるのか、ストレスフルな人間関係かなどのミスマッチは実際に働いてみないと分からないことが多いからです。

 もし、これらの情報を事前に知っていればその会社に就職しなかっただろうと思いますが、自分の予備知識や担当者の説明を聞いて知ったつもりになっていたのかも知れません。しかし、企業や個人の情報を知ることはそう簡単なことではありません。たとえば「知る権利と個人情報」の問題ですが、ある日何らかの罪を犯した犯人が逮捕されました。特に有名人であればあるほどマスコミも活気づき一斉にニュース報道をします。また、社会的影響が大きい人物や事件は公共の利益や安全に関わる情報として、報道するマスコミなどの正当な目的とされていますから、その範囲を逸脱しない限り目的にかなっているわけです。ただ、最近はどこまでその報道や情報発信の「信憑性」を検証できるかどうか、その根拠となる事実を証明できるかどうかが問われていますね。

スマホを盗み見る

 昔から「知らぬが仏」という諺があります。たとえば、BさんがAさんの悪口を言っていると、CさんがAさんに告げ口します。今までそんなことを知らないで仏さんのように平静だったAさんはその瞬間から仏さんではなくなりますね。現代のコミニュケーションはスマホですから、人のスマホの中には愚痴や悪口など覗かれたら大変な状況になる内容が詰まっているかもしれません。たとえば、最近夫の帰りが遅いので様子が変だと思い、夫が風呂に入っているときにスマホをのぞき見したら浮気をしていることが分かりました。

 さあ、この瞬間から夫の浮気を知った妻は仏さんではいられなくなります。ときには地獄の閻魔の形相になるかもしれません。この場合、妻は知る権利を主張してスマホをのぞき見ることができるでしょうか。ただし、正当な理由なく他人宛の手紙を開けて盗み見る行為は「信書開封罪」ですが、スマホを覗き見る行為は「不正アクセス禁止法」に違反する可能性があり、罰則は3年以下の懲役または100万円以下の罰金です。スマホに保存されているメールや写真は夫のプライバシー情報に該当し、夫の同意なく閲覧することはプライバシー侵害として損害賠償を請求される可能性があります。たとえ夫婦といえども相手が浮気していたかどうかにかかわらず、同意なく相手方のプライバシーを侵害した場合は、告訴をされると有罪の可能性が高くなります。裁判に費やす時間と費用と労力は地獄を見るかもしれませんね。知らぬが天国です。

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