来年はどうなる、一年の終わりに想うこと

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法務通信―新時代― Vol.25

来年はどうなる、一年の終わりに想うこと

 みなさんこんにちは。行政書士の佐藤勝太郎です。今年もあとわずかとなりました。今朝の盛岡はうっすらと雪が降っていました。きのう今日と少しは気温が上がりましたが、週末にかけて西高東低の冬型の気圧配置になり、また寒さが厳しくなるということです。私は遠野出身ですから、寒さには慣れているつもりでしたが、それは子どもの頃の話で、高齢者には通用しないことを身に染みて感じています。

 さて、来年はどうなるでしょうね。みなさんはどう思いますか。少なくとも物価はあがるでしょうね。私たちが生きる今の時代は、多くの課題を抱えています。物価上昇、介護や医療の問題、治安の悪化、自然災害や国際紛争など、不安材料が数多くあります。

 私は日本の高度成長期を生きて来たので物価と給料は上がるのが当たり前でありました。定期昇給やボウーナスはうなぎのぼりでした。当時の日本はそれ行けドンドンの時代で経済に勢いがあった時代でした。昭和30年代の日本は戦後の復興を成し遂げ、実質経済成長率10%を超える驚異的な成長を遂げ世界の奇蹟ともいわれました。その経済の高度成長が約30年も続き、賃金も同時に上昇しました。その結果、国民の懐は豊かで「カー」「クーラー」「カラーテレビ」など、いわゆる“3種の神器”が目覚ましい勢いで買われ、国民の消費能力が増大し、企業はさらなる設備投資に追われる「大衆消費社会」だったのです。

 年末になると企業は名入りの手ぬぐいやカレンダーを配り、来年もよろしくと営業サービスを展開したのであります。大晦日になると多くの家々が「紅白歌合戦」を見て過ごし、いつの間にか除夜の鐘が鳴りあっという間に新年を迎えるというサイクルでありました。年の瀬というあわただしさの中にも、どこかみんなが同じように行動する安心感というか、社会の絆というか古き良き時代の名残がありますね。

 さて、わが国の現状を見るに、コロナ禍から経済は回復しつつあるようですが、いまだに物価上昇が家計を圧迫し、不況感は消えてはいないようです。特に中小企業や低所得層にとって厳しい状況が続いています。賃金上昇の取り組みは見られるものの、それが物価上昇を完全に相殺することは難しく、結果的に格差が拡大する懸念は大きいですね。国は物価対策として、年金スライド分の上乗せや公務員・教員等の給与改善による賃上げを目指した大型予算を組みました。

 ただ、将来の年金がどうなるか、仕事のデジタル化による雇用不安などはどうも経済だけの問題ではないようです。減税による所得の増加分や生活支援金が必ず消費に回るでしょうか。先行きのことが心配で少しでも将来に備えたいと、その分は貯蓄に回るのも少なくないと思います。根本の原因は少子高齢化で人口構造に問題がありますね。これが多子少老化だったら介護や医療・年金の不安はなかったかも知れません。人生は、いつの時代でも心配や不安はつきものですね。現代は不寛容でストレス社会と言われますが、新しい年が心配や不安を払拭し希望に満ちた明るい年であることを期待します。

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