卒業から自立へ

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法務通信―新時代― Vol.15

人生の転換期を乗り越えよう―卒業から自立へ

 “2月は逃げるように早い”という。本当に雪の降らない2月であったがもう3月に入ろうとしています。3月は春の訪れとともに人生における重要な節目の季節です。私も、教員時代を含め何十回と卒業式を迎えてきましたが、それは今までの学びや体験を総括し新たな出会いと希望のステージへ踏み出す感動の時でもありました。学校は学びの場ですが、勉強が好きだという人は別として、嫌いで苦痛だった勉強をもうしなくてよいという解放感が感動的な喜びとなって溢れ出るのでしょうか。

 しかし、卒業は学びの終わりではなく、むしろ、新たな学び、そして親や教師の庇護のもとにぬくぬくと生きて来たのが終わりを告げるときなのです。多少の例外はありますが、就職という別社会へ独り立ちをしなければなりません。いわゆる自立です。あなたが選んだ道には新たな仲間との出会いが待っています。そしてまた新たな人とのつながりが始まるのです。

卒業

 今は少子高齢化の時代ですから昔のようにマンモス入学式・卒業式というのは漸減しています。少子高齢化社会は企業にとっても学校にとっても「人出不足」「生徒不足」の課題の解決に向けて努力を求められる時代と言えます。地方では都会に出たがる若年層は多いですが、海外への留学等は多くないというデータもあり、総じて若年層のフロンテアスピリット就労意欲の低下がみられるということです。昭和の高度成長期は人口も増え、企業の業績も右肩上がりで給料は上がるものだと信じ、まったく下がるということは考えませんでした。当時は正社員がほとんどでしたが、今は正社員が減少し個人消費が低迷、さらに人口減少も高齢化による社会保障費の増大が経済負担となって経済の成長を抑制しているわけですね。

 さて、卒業式を迎えるということは、新たな旅路への出発と、過去の努力と成長を見守り支えてくれた人々への感謝の日です。これまでの努力や挑戦、そして共に学んだ喜びや涙のすべてが、今日の皆さんを形作る重要な要素となっています。そして、3月は就職・転職も盛んな時期であります。新たな職場やキャリアの可能性を模索する人々が多く、仕事を通じて自己実現を追求する観点で、就職は卒業後の一大イベントであり、自立と責任を担うためのステップでもあります。新たな職場での出会いや経験が、人生における貴重な成長の機会となることは間違いないわけですが、新たな職場に就職する場合、たいていはその企業の将来性を現状によって判断します。将来性を判断するといっても要するに現在の状況に立ってそう考えざるを得ないのです。現代のように変化の激しい社会では先を読むということはなかなか難しいところもありますが、天気予報は観測データをもとに、大気の状態を数値的に予測するもので、自然現象の先を読む技術は飛躍的に発展したようですね。人口減少にしても異常気象にしてもそれぞれ個々人の卒業・就職などライフサイクルに関わっています。時代は加速度的に変化し、なかなか先は読めませんが今日より明日はよくなると信じ感謝を忘れず進みましょう。

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